大人になってから長らく絵を描いていなかったが、ふと「描きたい」という想いが沸いた。久しぶりの感覚に少々驚いている。
実は子どものころから描くこと、造ることが好きだった。大学は美術学部に進んだのだが、才能の塊のような者らに囲まれ、創作活動は趣味にとどめようと早々に割り切った。仕事に家事にやらなければならないことに忙殺され、やがて趣味レベルの創作からも遠ざかり齢50を超え今に至る。
夏の終わりのある休日に、たまには頭の中を空にしようと、車を走らせ、深谷花園温泉「花湯の森」へ。職場の同僚に薦められていた場所を初めて訪れた。平日だからか空いていて、スーパー銭湯とはひと味違う静寂が心地よい。ほぼ貸し切りのサウナと水風呂、外気欲を何往復かして「とののった」あと、露天の壺風呂にゆるりと浸かり、ランプの下で夜空を見上げていたときに、ふと「絵を描きたい」という想いが沸いた。
子らが社会人として歩き出した今だからこそ、沸き上がった想いかもしれない。上手くなくていい、特別でなくていい、ただ自分が心を動かされたものを描いてみよう。無心に手を動かすことから見えてくるものと向き合ってみたいと思ったのである。自分の直感を信じてみよう。これから歩む道の軸が決まった気がした。
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