2025-11

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誕生日

 11月も半ばを過ぎ、紅葉が美しいこの時期になると我が子が生まれた日のことを思い出す。誕生日というのは本人よりも親にとっての忘れがたい記念日なのかもしれない。もう四半世紀以上前のことだが昨日のことのように覚えている。 自分の身体の中に別の生命体を宿して10カ月。長い時間をかけて親になる準備をしてきたはずなのに、「おぎゃぁ」と生まれたその瞬間から人生が一変した気がした。私が出産した病院では、赤ちゃんが生まれると「Happy Birthday」の曲を流す。聴きなれたフレーズなのだが、まさに誕生の直後に流れる「ハッピー バースデー トゥーユー♪」の歌詞は小さな命が生まれ出たことをストレートに祝福してくれているように感じられて涙が出た。 赤ちゃんはお腹の中から出たとたんに主張を始める。「お腹が空いた」「おむつが汚れた」「ねむい」と泣く。右往左往しながらお世話をして、自分も母親としては新生児なのだということを思い知った。たいへんなこともたくさんあったが、その誕生がハッピーであったことは間違いない。 今の自分ももう50代後半だが、母親としてはまだギリ20代なのだ。そう遠くない将来、祖母ゼロ歳児になる日が来るだろうか。未来はわからないが人生どのタイミングでも新しいことが始まる。頭と心を柔らかくして、すべての変化を喜びとして受け入れられたら、ずっとハッピーでいられるのだろうなと、生まれたばかりの子の顔を思い浮かべながら考えた秋の一日だった。